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「まだ仕事には行けるから大丈夫」は本当? 心の不調を早めに見つけるサイン


「会社には毎日行けているから、まだ大丈夫」


「仕事も一応できているし、休むほどではない」


「もっと大変な人もいるから」


そう思って、つらさを抱えながら働き続けていませんか?


心の不調というと、「会社に行けなくなる」「何もできなくなる」といった状態をイメージする方もいるかもしれません。


でも、心身の不調は、ある日突然ゼロから100になるとは限りません。


その前から、日常生活のさまざまなところに小さな変化が現れることがあります。このニュースレターで、不調にかかわるサインのうち日常的に確認していただきたい5つや、専門家への相談のタイミングをご紹介します。


執筆者:老久保 あきら

保有資格:公認心理師、臨床心理士(BANSO-CO ばんそうメイト)


サイン① 睡眠が変わった


まず気づきやすいのが睡眠です。


・ベッドに入っても仕事のことを考えて眠れない

・夜中に何度も目が覚める

・朝早く目が覚めて、その後眠れない

・きちんと寝ているはずなのに疲れが取れない

・休日はほとんど寝て過ごしてしまう


睡眠は心身の状態と密接に関係しています。数日眠れなかったからといって、すぐに病気ということではありません。


大切なのは、「いつもの自分と比べてどうか」「その状態がどのくらい続いているか」です。


サイン② 食欲や身体の調子が変わった


心の疲れは「気分」だけに現れるとは限りません。


・食欲がなくなった

・逆に食べ過ぎるようになった

・胃が痛い

・頭痛が増えた

・肩や首がずっとこっている

・動悸がする

・朝になると身体がとても重い


など、身体の症状として感じることもあります。


身体症状にはさまざまな原因がありますので、必要に応じて医療機関で身体的な原因を確認することも大切です。


一方で、「検査では異常がないけれど、どうも調子が悪い」というときには、最近のストレスや生活状況も一度振り返ってみましょう。


サイン③ 以前楽しめていたことが楽しめない


仕事から帰ったら好きなドラマを見ていたのに、見る気がしない。休日に友人と会うのが楽しみだったのに、断ることが増えた。趣味をしても、以前ほど楽しくない。


こうした変化も、自分の状態を知る一つの手がかりです。


仕事が忙しい時、疲れを感じている時、あなたの好きなことをする時間が変わらず取れているか、その時間を楽しめているか、少し振り返ってみるといいでしょう。


サイン④ 集中力や仕事の仕方が変わった


心身が疲れていると、集中力や判断力にも影響することがあります。


同じメールを何度も読み返す。簡単な判断に時間がかかる。以前ならしなかったミスが増える。仕事を始めるまでに時間がかかる。


そんな変化があると、「最近、自分は仕事ができなくなった」と責めてしまう人もいます。


でも、能力そのものが落ちたのではなく、疲労やストレスによって、本来の力を発揮しにくくなっている可能性もあります。


サイン⑤ 人との関わり方が変わった


以前なら気にならなかった同僚の一言に強くイライラする。昼休みも一人でいたくなる。メールやチャットの返信が負担になる。家族との会話も面倒に感じる。


こうした対人面の変化もあります。


心の余裕が少なくなると、普段なら受け流せる刺激にも強く反応することがあります。


「仕事に行けているか」だけを基準にしない


責任感が強い方ほど、つらくても仕事を続けられる場合があります。


朝起きるのが苦しくても会社には行く。休日はほとんど動けなくても、月曜日には出勤する。仕事中は笑顔で対応するけれど、家に帰ったら何もできない。


頑張り続けるあなたの姿は、外から見ると「普通に働いている人」に見えるかもしれません。


だからこそ、「なんだかいつもと違う」という小さな変化に、ご自身で気づいてあげることが大切です。


そして、このような変化に気づいた時は、難しいかもしれないけれど、無理をしないということが大切です。


「出勤できている=大丈夫」だけを自分の健康の判断基準にしないこと、これを心がけていただけたらと思います。


1週間、自分を観察してみる


「最近ちょっといつもと違うかもしれない」と思ったら、一週間程度、自分の状態を簡単に記録してみる方法があります。


睡眠:よく眠れた/途中で起きた/ほとんど眠れなかった

食欲:いつも通り/少ない/多い

気分:0〜10点なら何点?

疲労感:0〜10点なら何点?

仕事:集中できた/いつもより難しかった

楽しい時間:何か一つでもあった/あまり楽しめなかった


毎日細かく分析する必要はありません。一週間並べてみるだけで、「思っていたよりずっと疲れている」「月曜日だけではなく毎日つらい」など、自分の状態を客観的に見やすくなります。


どのタイミングで相談すればいい?


「どれくらい悪くなったら相談していいのでしょうか」と聞かれることがありますが、相談するために「限界」まで待つ必要は全くありません。


「なんだかいつもと違う気がする。」「人に相談するまでもないけれど…。」


「だけど自分で整理できない。」「同じ悩みがずっと頭から離れない。」「生活に少しずつ影響が出ている。」


自分ではそこまでではないと思うこのような段階でも、心理職などに話してみることができますよ。


一方で、強い気分の落ち込みや不安、睡眠や食事の大きな変化などが続き、仕事や日常生活への影響が大きくなっている場合には、医療機関への相談も検討してください。


また、自分や他人を傷つけたい気持ちがあるなど、緊急性が高い場合には、心理相談だけで抱えず、速やかに医療機関や緊急の相談窓口につながることが重要です。


「まだ大丈夫」と思ったときこそ


心のケアは、完全に動けなくなってから始めるものではありません。


風邪でも、「少し喉がおかしいな」という段階で早めに休んだり、のど飴を舐めたりすることがありますよね。

心についても同じように、「最近、いつもの自分と少し違うな」という小さな変化に気づいたら、のど飴のように気軽に、あなたの心に専門家との時間を用意してみてください。


「これくらいで相談していいのかな」と迷うようなことでも構いません。


誰かに話してみることで、自分では「大したことではない」と思っていた負担に気づいたり、逆に「これはこうすればよさそう」と整理できたりすることがあります。


限界まで頑張る前に、自分の心と身体の状態を一度確認してみませんか。




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