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「考えすぎて疲れる」をやめたい――頭の中の不安から少し距離をとる方法

「さっきの会議で、あんな言い方をしない方がよかったかな」


「上司から返信がない。何かまずいことをしただろうか」


「この仕事を続けていて大丈夫なのかな」


「将来、ちゃんとやっていけるのかな」


一度考え始めると、同じことが何度も頭に浮かんできて止まらない。考えても答えが出ないと分かっているのに、気づけばまた考えている。


そんな経験はありませんか?


仕事や人間関係について真剣に向き合うことは、もちろん悪いことではありません。問題について考えるからこそ、解決策を見つけたり、失敗に備えたりすることもできます。


ところが、「考えること」がいつの間にか「考え続けること」になってしまうと、問題が解決しないばかりか、心がどんどん疲れてしまうことがあります。


執筆者:安喰 智美

保有資格:公認心理師、臨床心理士(BANSO-CO ばんそうメイト)


「考えること」と「考え続けること」は違う


たとえば、明日のプレゼンについて不安を感じているとします。


「説明が分かりにくいかもしれない」と考えて資料を修正するのであれば、その思考は具体的な行動につながっています。


一方で、「失敗したらどうしよう」「評価が下がるかもしれない」「そもそも私はこの仕事に向いていないのでは」「このまま出世できなかったらどうしよう」と、次々と不安が広がっていくこともあります。


この場合、たくさん考えているように見えても、実際には問題解決にはあまり近づいていません。


不安になると私たちは、「もっと考えれば答えが出るはず」「ちゃんと考えておけば悪いことを防げるはず」と感じることがあります。


しかし、未来に何が起きるのか、他人が自分をどう思っているのかなど、どれだけ考えても完全な答えを得られない問題もあります。そうしたことについて答えを出そうとし続けると、考えれば考えるほど不安が増してしまうことがあります。



頭に浮かんだことは「事実」とは限らない


もう一つ覚えておいてほしいのは、私たちの頭に浮かぶ考えが、必ずしも事実そのものではないということです。


たとえば、上司に送ったメールに数時間返信がなかったとします。事実として確認できるのは、「まだ返信が来ていない」ということだけです。


ところが、不安になっていると、「怒っているのかもしれない」「変なことを書いたかもしれない」「仕事ができないと思われたかもしれない」と、頭の中でストーリーが作られていきます。


もちろん、その可能性が絶対にないとは言えません。でも、単に上司が会議中なのかもしれませんし、急ぎの仕事をしているのかもしれません。


私たちが苦しくなっているときには、「起きていること」と「頭の中で考えていること」がいつの間にか一体化している場合があります。


考えを消そうとしなくていい


では、嫌なことを考えないようにすればよいのでしょうか。


実は、「考えないようにしよう」と強く意識すると、かえってそのことが頭から離れなくなることがあります。


そこでおすすめしたいのが、考えを消すのではなく、少し距離を取って眺めることです。


たとえば、「私は仕事で失敗する」ではなく、「私は今、『仕事で失敗するかもしれない』と考えている」と言い換えてみます。


少しだけ印象が変わらないでしょうか。


後者では、「失敗する」という出来事が確定しているのではなく、「そういう考えが自分の頭に浮かんでいる」と捉えています。


考えを無理に追い出す必要はありません。「あ、またこのことを考えているな」と気づくだけでも、頭の中の考えに巻き込まれにくくなることがあります。


また、考えるタイムを予め用意しておくことも有効です。落ちついて考えられる21:00-21:15までは考えタイムとしておき、その時間以外に考えが湧いてきたら、考えタイムに考えよう!とその場では簡単なメモだけにして、目の前の作業に戻ると良いでしょう。


「今、解決できる問題?」と聞いてみる


考えが止まらなくなったときには、一度紙やスマートフォンのメモに書き出してみることもおすすめです。


①これは今、自分に解決できる問題だろうか?

たとえば「明日のプレゼンの説明が分かりにくいかもしれない」なら、資料を見直すことができます。


②具体的にできることは何だろう?

資料を一度読み直す、同僚に確認してもらう、説明の練習を10分する、といった具体的な行動に変えてみます。


③今は解決できないことなら、いつ考える?

「相手がどう思っているか」「来年どうなっているか」など、今すぐ答えが出ないこともあります。その場合は、「今は答えが出ない問題だ」といったん認識してみましょう。

必要なら「明日の18時にもう一度考える」など、考える時間を決めておく方法もあります。


※本画像は、AIを使用して生成されました。
※本画像は、AIを使用して生成されました。

「考えすぎる自分」を責めないで


考えすぎてしまう方の中には、責任感が強かったり、周囲への配慮を大切にしていたり、物事をきちんとやり遂げたいと思っていたりする方もいます。


だから、「私は考えすぎるからダメなんだ」と、さらに自分を責める必要はありません。


大切なのは、考えない人になることではありません。


「今は考えることで問題を解決しているのか、それとも考えることそのものに疲れているのか」を、ときどき確認してみることです。


一人で考えていると、同じところをぐるぐる回ってしまうこともあります。そんなときには、誰かに話してみることで、自分では気づかなかった見方が見つかることがあります。


「こんな小さなことで相談していいのかな」と思うような段階でも大丈夫です。頭の中を一人で整理しきれないと感じたら、ぜひ誰かと一緒に整理してみてください。





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