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イライラのマネージメントをしよう!




 

執筆者:山口 正寛

保有資格:臨床心理士・公認心理師


 

生活をしていると、イライラしたり腹が立ったりすることがあると思います。

あなたはどんな時にイライラしますか?

 

イライラすること自体は悪いことではありません。例えば、理不尽なことを言われたり、自分を傷つけられるようなことがあれば、普通はイライラして怒るものです。それは、自分自身を守るために必要な反応だからです。

 

しかし、とても小さなことや些細なことで頻繁にイライラしてしまうと、人間関係や日常生活に支障をきたすことがあります。また、心の健康にも悪影響を及ぼす可能性があります。そのため、イライラを適切にコントロールすることが、精神的な健康や良好な人間関係を保つ上で重要になります。

 

イライラするのはどんな時?

イライラをうまくコントロールするためには、自分がどのような時にイライラしやすいのかを理解することが役立ちます。

 

普段イライラした時はどんな時ですか? そのイライラの強さはどの程度でしょうか? イライラしているとき、あなたは何を考えていて、どのように振る舞っているでしょうか?その結果、何が起こったでしょうか? また、どのような気分になるでしょうか?

 

例えば、「子どもがなかなかご飯を食べてくれない」という場面を考えてみましょう。

 

1. イライラした時はどんな時?

   夕食の時間に、子どもが遊んでばかりで食事が進まない。

2. イライラの強さの程度は?(10段階で10が最も強い)

   イライラの強さ:6

3. イライラしている時に考えたことは?

   「早く片付けて次のことがしたいのに!」

4. イライラした時の振る舞いは?

   「遊んでないで早く食べなさい!」と強い口調で叱った。

5. その結果、何が起こった?

   子どもが泣いてしまい、ご飯を食べられなくなった。

6. どのような気分になった?

   子どもを叱ったことで自己嫌悪を感じた。

   結局ご飯を食べてくれなかったので、イライラがさらに強くなった(イライラの強さ:7)

 

この例では、テレビがついていたり、年の近い兄弟が近くにいたり、嫌いな食べ物があったりすることが、食事が進まない原因である可能性もあります。こうした場合、環境を変えることで改善できるかもしれません。つまり、事前にイライラしないような環境づくりをすることが大切です。

 

ただし、事前にイライラしない状況を常に整えておくのが難しい場合もあります。そのような場合は、特に「3.イライラしている時に思い浮かんだこと」を見直すことが大切です。

 

イライラに対処する

「3.イライラしている時に思い浮かんだこと」は、多くの場合、自分の期待や価値観と現実が異なることで生じます。

 

例えば、先ほどの例で「早く片付けて次のことがしたいのに!」という考えが浮かんだ場合、その背景には「時間は有効に使わなければならない」や「規則正しい生活を送るべきだ」といった価値観があるかもしれません。これらは決して間違いではありませんが、考えにとらわれすぎると、期待と現実のギャップによりイライラが募ってしまいます。

 

このような場合、「食事の時間は子どもとのコミュニケーションの時間でもある」や「子どもが自分のペースで食事をすることも大切」といった視点を持つことで、イライラの強さを軽減できるかもしれません。

 

それでもイライラが収まらない場合や、客観的に見て誰もがイライラしてしまうような状況では、「4.イライラした時の振る舞い」を変えてみるのが効果的です。そのためには、状況に応じた対処法をいくつか用意しておくと良いでしょう。

 

 代表的な対処法

例)

- 深呼吸をする

- 一時的にイライラを引き起こす状況から離れる

- 数を数える

- 水を飲む

- 運動をする

- 音楽を聴く

- 「落ち着こう」「今怒りをぶつけたら状況は悪くなる」と自分に語りかける

 

イライラによって事態が悪化したり、さらなるイライラや自己嫌悪を招いたりする場合は、イライラをコントロールする方法を取り入れてみましょう。

 

対処法を準備する際の注意点

ここまで、イライラに対処するためのいくつかの方法を紹介しました。

 

イライラとうまく付き合うためには、イライラが生じやすい場面を理解し、その時にどのような考えが浮かぶのかを把握することが役立ちます。また、上記の対処法の中から、自分に合ったものをいくつか身につけておくことも大切です。

 

BANSO-COには、イライラの対処方法について相談できるばんそうメイトが在籍しています。怒りのサインがわかりにくい」「自分に合ったイライラの対処方法がわからない」という方は、お気軽にご相談ください。

 

 

この記事を書いたのは、臨床心理士・公認心理師の山口 正寛 です。

<専門分野・得意領域>専門分野:臨床心理学,発達心理学,得意領域:子育て,子どもの発達,発達障害,親子関係


 

ご自身のイライラする気持ちをコントロールできるようになりたい、改善したいという方。ご相談や困りごとなどある方は、ぜひBANSO-COの専門家ばんそうメイトにお気軽にご相談ください。





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